小規模オフィスデザイン「3つのポイント」
小規模オフィスとは2,3名オフィスも含め10〜20名も差しますが職種にもより、オフィスデザインが与える効果は違うかもしれませんがこの3つのポイントを抑えることで、心理的効果や集中ワークもしくはコミュニケーションワークなど色々なワークシーンをつくり出す事が出来ます。
特にパンデミック以降では自宅でのリモートワークも併用したルール設定でオフィスを戦略的にダウンサイジングする企業も増えてきていますのでこれまでの常識に捉われずオフィスデザインの参考にしてみて下さい。
1,オフィスはレイアウトがすべて!
2,「重」機能空間〜同じ場所を柔軟に使い分ける
3,デザインを集中させる
1,オフィスはレイアウトがすべて!
オフィスをつくる上で一番重要なのはレイアウトです。
人がどう動いてどこで誰と偶発的な会話を生み出すか。
ちょうど良いところにテーブルがあってちょっと手元のコーヒーとPCを置いて雑談に花を咲かせる等の経験をされた方も多いのではないでしょうか。小規模オフィスでは特にその工夫がより重要視されます。
主にレイアウトのパターンの違いで3つのパターンをご紹介します。
パターン A 躯体のポテンシャルを引き出すレイアウト
不動産選びで決まる変則的ビル躯体を最大限利用する!
中規模オフィスではデットスペースと呼ばれるような躯体でも小規模オフィスの場合レイアウトによってはメリットに変えることも。
集中メインで作業してコミュニケーションは自分のペースで行える所謂「背面対向式レイアウト」の応用編。
オフィスデザイン事例 合同会社シェルパ様
パターン B 視覚的に分ける
四角の部屋を「斜め切り」することでゲスト動線と社内動線を文字通り一本化。
こう見えて天井までの仕切りなくB工事を軽減するとともに視覚的仕切りで2つの空間に分けているコスパ最強のレイアウト。
オフィスデザイン事例 吉田司法書士事務所様
パターン C 中央個室による4スペース化
同じ空間でのシミュレーションで比較することで分かる費用対効果。
シミュレーション1はお客様から最初に指示のあった受付と個室をそれぞれ間仕切を建てて部屋を分ける一般的発想のレイアウトプラン。
しかしこのレイアウトでは機能は叶えても間仕切を多く使うことになる。必要な個室数を逆転の発想で一個に絞り中央に配置。
たったこの一つの発想で空間を5つに分けることができた。
オフィスデザイン事例 株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン様 沖縄宜野座オフィス
2,「重」機能空間〜同じ場所を柔軟に使い分ける
「重」機能空間とは、限られた床面積を時間帯により様々な利用方法で使い分けるという意味でのアドアルファの造語。
設計者と利用者であるお客様との共通認識を持つ上で便利なキーワード。
パターン A お客様ラウンジ x リフレッシュ x パーティラウンジ
レイアウトの工夫の延長にもなりますが今まで会議室として特定の利用方法しか使わなかった部屋をあえてラウンジとして改装した事例をご紹介します。
来客中心のラウンジの設えを施す事で「居心地の良い空間」が出来、そこを社内リフレッシュスペースとしても活用できる様に社内ルールを一部変更。
このことで今まで会議としてしか使えず利用時以外の時間は単なる遊休スペースになっていた空間を有効活用。
個のちょっとした来客向け設えを共有できることでこのスペースでお得意様をお呼びするパーティを行ったり、家族を招いて年一度のイベントを行ったり、今までのオフィスの活用から一回り大きな活用シーンの拡大につなげることできること自体オフィスに対する賃料以上の費用対効果が得られると思います。
オフィスデザイン事例 株式会社玄海キャピタルマネジメント様
パターン B プレゼンルームx 社内打合せxリフレッシュ
プレゼンルームとして設けられた半個室のスペース。
開発中のプログラムのテストが行われる場所として使われ、壁面にはマルチモニターが設置されており、コンセント完備の階段状のベンチには9名程度が着座可能。最大14名程度収容できる。
小型のテーブルは並び替えれば、少人数から大人数までフレキシブルに打合せの場として活用でき、上記以外の時間では、社内打合せやランチスペース、リフレッシュスペースとしても使用される。
1つの空間においても、利用者、利用頻度、利用シーンを検証し、それを時間帯によってグラデーション分けをする事で、限られた空間をフル活用する事が出来る設計を意識した。
オフィスデザイン事例 株式会社アソウ・アルファ様 熊本R&Dセンター
パターン C リフレッシュX打合せXプレゼンルーム
IT業界ではよく聞きますが出向先でのお仕事が多く週の大半は出向先で作業をして月一回等の定例会議等でメンバーが顔をそろえることになります。
その際にひとり一人に席は決まっていなく、出向先からのメンバーも自席が無いという印象を避けられてどこにでも気兼ねなく座れる配置にしました。
メンバー少ない日中昼間はゆとりをもって離れて座り、定例会議前後の作業では皆で片寄合って座ります。生まれるのは一体感!
限られたスペースで如何に機能を重ねて使うかの好例です。
オフィスデザイン事例 株式会社スミリオン様
3,デザインを集中させる
パターン A オープンオフィスイメージの重大な壁
小規模オフィスの代表的な基本デザインとして壁の一面を集中的にアイキャッチとなるデザインを施す事が挙げられます。
我々はスタバ効果と呼んでますが、背景に映るその壁面はその手前の人をより際立たせます。
スタバも外から見ると人の向こうに印象的なイラストやアートの施した壁面があるコトを知っている人も多いでしょう。
これは単にコーヒーショップだからではなくやはりアート的な意匠やデザインは人の目を引き付けることに繋がり、それがいつしか社員さんの記憶の中で働く上で非常に良い環境と言う印象を残すことにも繋がります。
結果人が辞めない、採用に有利などの費用対効果が現れてきます。
オフィスデザイン事例 某IT企業様
パターン B ガラスの活用と曖昧な人数制限のミーティングルーム
ガラスの角を造り、奥行きを一緒に魅せる。
ちょっとした工夫ですが、これにより空間のヌケ感が格段に上がり同じ部屋でも受ける印象は大きく変わります。
コロナ後のオフィスではこのような個室需要が爆上がりして個室の奪い合いにもなっています。
ただし密室すぎないコト、でも声は聞こえないコト、時代時代でその求められる機能とデザインは変わっていきます。
ミーティングルームにベンチソファを置く工夫も人数をある程度柔軟に使いこなすには良いアイデアでした。
ガラスの向こうの家具や壁の色はできる限り有彩色を使うなどして少し冒険する位のつもりで目立たせることも考えていいでしょう。
そうすることでガラスと家具の間に入る「人」が目立ちます。
オフィスデザイン事例 株式会社COCOHOMARE様
パターン C ワークシーンを見てもらうショールーム併用オフィス
ショールームを兼ねたオフィスでありながら、あえてワークスペースを隠さないアイデア。
これにしっかりとデザインを載せることで、来訪者には特別感としっかりとワークシーンを見てもらう事が重なりそれが信用と繋がります。
白を基調としたに柔らかいグレージュを織り交ぜて優しい空間をつくることができました。
窓側にカーテンを施す事でオフィスの堅い感じを消して包まれる感じにできたのも抜かりないデザインと言えるでしょう。
オフィスデザイン事例 カーシーカシマ株式会社様