廊下の効率について?!
会議室や応接室を設置することで発生する「廊下」。
この廊下も十分な広さが確保できれば問題はないが、
狭い日本のオフィス事情においては、最低基準をクリアすることで精いっぱい。
両側に居室がある場合は160cm以上、片側のみの場合だったとしても、
最低120cmの幅を確保するよう、消防法で定められている。
(一部緩和措置もあるが)
ただし、本当に全部が個室じゃないといけないか?と言えば
必ずしもそうではない。
目的はあくまでコミュニケーション。
必ずしも向かい合い、かしこまって話さなくても、
バーカウンターやソファでくつろぐようなスタイルの方が、相互理解に良いかもしれない。
それは例えば、カフェで周りの雑音があっても、しっかり話ができるのと同じこと。
そもそも廊下は部屋が多いほど長くなりがちで、この廊下を歩くとき、
とにかく前に向かって目的の部屋やエレベーターホールまで一直線。
通路幅も狭いので前後で話をしながら歩くのにも限界がある。
そこで!
1.部屋数は減らす。
2.デットスペースつくる。
3.そこを活かす。コミュニケーションの目的は果たす。
4.結果的に壁や建具の数が減りコストダウンにもつながる。
5.これが機能美。
6.さぁもっとオフィスにデザイン(機能美)を!
条件を変えてしまうが、目的を果たすのであればこれが最適プラン。
<川口建設様のゲストフロアの例>
廊下だったスペースをゆとりあるロビーにした。
各部屋から出てきた際、“ちょっと上着を着るとき”にカバンを置くロビーソファを設置して、
フォーマルな打ち合わせ後のプラスワントークを促す。
<ビジュアル・プロセッシング・ジャパン様東京本社エントランスの例>
廊下だったスペースを色で分け、軽い商談はココでオープンに行うスタイルに。
壁をつくらないことで外光も入り、気持ち良いエントランスを実現。
<ゆいまーる法律事務所様相談室周りの例>
相談室の多い弁護士事務所オフィスにもその工夫が必要とされる。
相談者と相談者がハチ合わせになってしまう事はタブーであり、次の予約者が来た際は
受付で待ってもらうとハチ合わせになるので、そっと奥に通して座ってもらう場所が必要。
これも廊下の工夫次第なのである。
写真は受付。
正面カウンターではなく、手前のソファまでご案内しお待ちいただく。
左右にある相談室からは、ブラインドにより見えなくなっているので、
そのまま前の相談者は次の相談者とハチ合わせすることなく、
尚且つ「自然に」入口までお見送りすることが可能になる。